お客さまからお預かりしたのは、細やかな絣模様が美しい大島紬。お選びいただいたのは、きちんとした印象の茶ボタンドレスです。シックな色合いの着物が、知的で現代的な魅力を持つ一着に生まれ変わりました。
柄の配置
均一に並ぶ美しい幾何学模様で、その魅力を最大限に活かすことを考えました。特に、ドレスの顔となる前身頃の中心や襟元に、柄の核となるモチーフが美しく揃うよう裁断しています。ただ、全てを均一的に横で揃えるのではなく、一つ柄の列をずらしいるので、程よいアシンメトリーの模様どりをしました。横で高さを合わせ仕上げていくことで、どの角度から見ても柄のつながりが自然に見えるように仕上げました。
ビフォーアフター
生地とシルエット
大島紬ならではの軽やかさと程よいハリが、茶ボタンドレスのシルエットを美しく保ってくれます。ウエストをリボンで結ぶと、生地のしなやかさが自然なドレープを作り出し、優雅な表情を添えます。光を受けて控えめに艶めく質感が、装いに奥行きを与えてくれました。
仕上がりの魅力
一枚で纏うだけで、凛とした佇まいが完成します。美術館での鑑賞や少し改まったお食事会など、特別な時間を過ごす日にぴったりです。着物だった頃の記憶を大切に、新しい物語を紡いでいく、そんな一着になればと願っています。