野暮ったくない、褒められる着物リメイク
着物リメイクがぎこちなく見える主な理由は、形が洗練されていないこと、服のデザインが着物の色柄に負けていること、色柄が多く服として合わせにくいことの3つです。そうならないために私たちは、着物の生地幅を生かして型を一から作り、柄を置く位置を考え、着物の種類に合う服を選んでいます。
譲り受けた着物の青海波柄を気に入りながらも、「着物で着るには今の時代には合わない雰囲気だった」と教えてくださったお客様がいます。パンツとブラウスのセットアップに仕立てたあとは、「早速数名から褒められました」とのことです。
「ダサい」「古くさい」と感じる方がいるのも、無理はないと私たちは思っています。着物の模様への抵抗感に加えて、洋服としてのぎこちなさが残ってしまう場合があるからです。この記事では、つるとのデザイナーの大方知子の視点を交えながら、ぎこちなく見える理由と、型・柄・着物の種類・合わせ方で大切にしていることをお伝えします。
着物リメイクが野暮ったく見えるのは、なぜ?
ぎこちなく見える理由は、大きく3つあります。
- 形が洗練されていない。 着心地がよく、ゆったりした雰囲気の形のものが多く、着物の素材感のまま素朴な形に仕立てると、洗練されない雰囲気になりやすいためです。
- 服のデザインが、着物の色柄に負けている。 色柄の印象が強く、服のデザインが前に出ない場合です。
- 服として合わせるのが難しい。 着物は色柄が多く、洋服として合わせるのがそもそも難しい素材です。

反物の幅は洋服の半分以下。だから型から作る
洋服の生地の幅は、一般に110〜140cmです。着物の生地は、その半分以下の幅しかないため、洋服のパターンをそのまま使うことができず、縫製の工程が増え、型取りにも工夫が必要になります。
そこでつるとでは、デザイナーの大方とベテランの洋服のパターンナーが、生地をつなぎ合わせてから裁断するのではなく、着物の生地幅を生かして、パターンそのものを一から作っています。大方は、着物の生地が生かされるシルエットにつながるよう、デザインを工夫しています。その分、工程が増えて縫製には時間がかかりますが、着物を生かすという原点を大切に、服を仕立てています。
着物は使える生地の長さ(用尺)が決まっているため、ワンピースやコートのように生地を多く使う型は、1枚の着物から作れるパターンへ変更しています。異なる着物を組み合わせると縮率が違い、お家でのお手入れが難しくなるためです。
柄はどこに置くと、きれいに見える?
着物の柄は、小紋のように同じ柄が全体に繰り返される総柄と、振袖・訪問着・黒留袖のように、絵柄が全体に大きく、着物をキャンバスのようにして描かれたものに分けられます。小紋は配置を考えるのが難しくなく、初心者の方にはお勧めです。振袖や訪問着は配置が少し難しくなりますが、柄を活かして仕立てられたときの喜びは大きなものになります。

トップスなら前身頃と後身頃の裾や肩に、スカートなら裾に大きな絵柄を置くと、元の絵柄が生かされやすくなります。大方は、柄が一方に偏らない配置を大切にしています。衣類のご注文では、お仕立ての前に、柄の配置を描いた完成イメージのイラストをお送りします。

紬系かちりめん系かで、仕立てる服を選ぶ
着物をリメイクするとき、まず確認するのは、紬系かちりめん系かです。
| 着物の系統 | 生地の特徴 | 向く服 |
|---|---|---|
| 紬系(大島紬・結城紬など) | 先染めで織られ、大きく伸び縮みする心配がなく、綿の生地に少し近い | コート、シャツワンピース、スカートなど、さまざまな服 |
| ちりめん系 | ふっくらとして伸縮性があり、落ち感のあるやわらかい生地 | ブラウス、ワンピース、スカートなど、やわらかさや落ち感が生きる服。コートには基本的にあまり向きません |
仕立てた服のお手入れは、着物リメイクの衣服を洗濯する時の気をつけたいポイントでご覧いただけます。
着物らしさは、着る場面で決める
着物らしさをどこまで残すかは、着物の色柄と、お客様がその服を着る場面によって変わります。お出かけ着として、少し特別なときに着たい場合は、着物らしさが生きる服のデザインを選びます。普段に着たい場合は、特別感がありながらカジュアルに着られる型を、着物の色柄を生かしてご提案します。
色無地のように柄のない着物は、立体的な洋服になると、着物だったことを忘れるような仕上がりになりやすいです。総柄の小紋から風鈴草ドレスを仕立てたお客様は、「着物のリメイクとは気づかれず、シルク?素敵~と褒められます」と教えてくださいました。

お客様の声
仕立てた服について、柄の位置や合わせ方に触れたお声をご紹介します。
【お客様の声】
アイテム:月チュニック|ノースリーブ
お着物:黒留袖
【お客様の声】
アイテム:コチのノースリーブドレス
お着物:大島紬
これまでの仕立ては、着物リメイクの事例で、ビフォーアフターとあわせてご覧いただけます。
よくある質問
- Q1: 着物リメイクの服は、古くさく見えませんか?
-
当店の型は、デザイナーとベテランの洋服のパターンナーが一から製作した、きもの時季オリジナルのパターンです。お客様からは、「もともと着物であったことを忘れてしまいますね」などのお声をいただいています。専門スタッフが、生地の状態や柄の位置を一枚ずつ見極めて仕立てます。
- Q2: 柄の多い着物は、どのように合わせればよいですか?
-
着物に使われている色の中から1色を選んで合わせると、コーディネートしやすくなります。黒、ブラウン、ベージュなどモノトーン系のパンツやスカート、カーディガンと合わせると、普段使いしやすくなります。柄と柄を合わせるのは難しい組み合わせなので、モノトーンのシックな服をお勧めしています。コーディネートの例は、着物リメイクを洋服とコーディネートするでご覧いただけます。
- Q3: 振袖を普段着にしても、浮きませんか?
-
パーティーなどに着たい場合は、ホルターネックなどのドレスを、普段に着たい場合は、シャツやパンツ、着回しのしやすいセットアップを選ばれることが多くあります。振袖でも、丈を少し短くするなどの工夫で、楽しんでコーディネートしていただけます。20〜30代の方も、世代というより、着る場面でお選びになります。
おわりに
形や柄の出方が気になるときは、お持ちの着物の写真と、気になっていることを、そのままお聞かせください。実際のシルエットや着心地は、東京・表参道のつるとアトリエ(表参道駅から徒歩12分)で開催している試着相談会・オンライン相談で確かめられます。
リメイクをお考えのときは、当店の着物リメイクのオーダー「きもの時季」をご覧ください。料金や納期の目安はオーダーの手順と料金一覧で、着物リメイクの全体像は着物リメイクとはでご案内しています。



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