着物をどうするか悩んだら。残す・手放す・リメイクの選び方
着なくなった着物を目のまえにして、悩むかたは多いのではないでしょうか。着物リメイクのオーダーに至る前に、悩みに悩んで手放した後に、後悔が残ってしまったという話もよく聞きます。より良い形で着物の整理するためには、まず手元にどんな着物があるかを把握し、着る・譲る・リメイクする・売る、の順に考えると進めやすくなります。長く眠っていた着物は、シミや虫食い、経年変化で、買取の見積もりが低くなりがちです。着物リメイクのパターンオーダー|きもの時季をご利用くださるお客さまは、リメイクしたい着物を先に選び、本当に余った着物を処分やリサイクルに回す方が多いようです。
普段、着物を着る機会のないお客様から、ご実家でたくさんの着物が出てきて、どうしたものかと困った、というお話を伺います。この記事では、着物の整理の順番と、状態の見方、手放すことをためらうときの考え方を、私たちがお客様とのやりとりの中でお伝えしてきたことを交えてご紹介します。
まず、どんな着物があるかを把握する
一番最初にしていただきたいのは、どんな着物があるかを把握することです。箪笥から出して全体を見渡したうえで、その中から、着る、譲る、リメイクする、といった分類をしていきます。
| 選び方 | 向く着物 | ひとこと |
|---|---|---|
| 着る・残す | ご自身や家族が着る可能性のある着物 | 普段着物を着る機会があるなら、着られるものがないかを確かめて、ぜひ着てみてください |
| 譲る | 着丈や裄丈が十分にあり、状態のよい着物 | 友人や家族に譲る選択です |
| リメイクする | きれいで残したいけれど、着物のままでは着ることはなさそうな着物 | 普段使いの洋服、小物、形見分けの小物などにできます |
| 売る・手放す | 譲ってもリメイクしても、と思えず、捨てるほど傷んでもいない着物 | 1つ片付く、という意味では、よい選択です |
当店のお客様は着物リメイクをご希望の方が多く、まずリメイクしたい着物を選んで私たちに任せてくださり、そのあとで、本当に余った着物を、譲る、処分する、業者に引き取ってもらう、などといった形を取られているように見受けられます。洋服にする前に考えておきたいことは、着物リフォームとは?大切な着物を今の暮らしへ受け継ぐための考え方でもご紹介しています。
買取に出す前に知っておきたいこと
着物の整理というと、多くのお客様がまず思い浮かべるのは、着物の買取業者のようです。ただ、長い間眠っていた着物は、シミや虫食い、経年変化が起きていることが多く、当時は高価だった着物でも、買取が難しい状態になっているものが多いのが現状です。また、今日において、着物を着る方の人口も減っていることがあり、綺麗な状態であっても正当な価値を見出してもらえないこともあります。せっかく素晴らしい価値があっても、買取の基準では、見積もりがかなり低くなる場合がほとんどです。
お客様からよく伺うのは、買ったときの価値や、ご自身が感じている価値よりも、ずっと低く見積もられた、というお話です。値段と、その着物への気持ちが、一致しないともどかしい気持ちになりますよね。
着物の状態は、どこを見る?
状態を見るときは、次の3点を目安にしています。
- 生地自体が裂けやすいもの:どの選択をしても、すぐに使えなくなってしまうため、手放すことをお勧めします。
- カビやシミ:程度によります。着る可能性がある場合や、残す、譲る場合には、あまりお勧めしません。リメイクなら、アイテムによって、その部分を避けて作れることもあるので、あきらめる必要はありません。
- 胴裏(着物の裏地の白い布)のシミ:胴裏が多くシミていても、表地はシミていないことがよくあります。一部分にシミやカビがあるからといって、一概にあきらめなくて大丈夫です。

シミのある着物の考え方は、時を重ねた正絹も、現代の一着へ。シミや古さを活かす着物リメイクの考え方でもご紹介しています。
一度も着ていない着物(しつけ糸つき)は?
しつけ糸がついたままの着物でも、箪笥にしまっておくと、意外とシミになることがあります。まず一番にしていただきたいのは、広げて陰干しをすることです。基本的にはきれいなものが多いのですが、表面に少しカビが見受けられる場合は、着物屋さんにどうできるかを相談するか、使える部分をリメイクする方法もあります。
1枚の着物や帯を、家族で分ける
1枚の着物や帯を、家族で分けた事例は、たくさんあります。帯からは小物をたくさん作れることがあり、着物はセットアップになるように仕立てて、上下で分け合う方もいます。1枚の着物を分け合えることも、着物リメイクの魅力のひとつです。
ハサミを入れることを、ためらうとき
着物にハサミを入れることへの抵抗感は、私たちも同じです。最初は、こんなに丁寧に作られたものに、ハサミを入れてしまってよいのか、という思いがありました。
それでも、着物としてはもう着られない着物であれば、その生地を織った職人のことまで考えると、次に生かす形で着ることは、決してダメではないと思っています。かつての日本の着物は、最後は雑巾やおしめになるまで使われてきました。そうした循環を考えれば、ハサミを入れることは、昔は通っていた道だと思います。決めるのは、お客様ご自身です。私たちは、思い出の生地を、大切に次に使える形で残していきたいというお気持ちに応えて、リメイクしています。
お客様の声
迷ったあとに、リメイクを選んだお客様のお声です。
【お客様の声(一部抜粋)】
アイテム:白詰草のドレス - 二色
お着物:母の喪服・絵羽織
【お客様の声】
アイテム:月ドレス|ハーフスリーブ
お着物:叔母から譲られた小紋
これまでの仕立ての様子は、着物リメイクの事例で、ビフォーアフターとあわせてご覧いただけます。
よくある質問
- Q1: 着物は、売るのとリメイクするのと、どちらがよいですか?
-
長い間眠っていた着物は、シミや経年変化で、買取の見積もりが低くなる場合が多くあります。譲ってもリメイクしても、と思えず、捨てるほど傷んでもいない着物であれば、売ってみてもよいと思います。きれいで残したいけれど、着物のままでは着ることはなさそうな着物は、リメイクがお勧めです。
- Q2: シミやカビのある着物は、リメイクできませんか?
-
私たちは、シミやカビが部分的にあるからといって、着物リメイクができないとは、考えていません。アイテムによっては、その部分を避けて作れますし、胴裏がシミていても、表地は無事なことがよくあります。広い範囲の劣化や、引っ張ると破れそうな状態では、衣類に向かないことがあります。
- Q3: 一度も着ていない着物は、そのまましまっておいてよいですか?
-
しつけ糸がついたままでも、しまっておくと、シミになることがあります。まずは広げて、陰干しをしてあげてください。表面に少しカビがあるときは、着物屋さんに相談するか、使える部分のリメイクをご検討ください。
おわりに
どの着物から手をつけるか迷うときは、着物の写真と、気になっていることを、そのままお聞かせください。写真からは、柄や色、目立つシミなどについて、概ねのご相談ができます。実物を見ながら相談したい場合は、東京・表参道のつるとアトリエ(表参道駅から徒歩12分)で開催している試着相談会・オンライン相談をご利用いただけます。
リメイクをお考えのときは、当店の着物リメイクのオーダー「きもの時季」をご覧ください。料金や納期の目安はオーダーの手順と料金一覧で、着物リメイクの全体像は着物リメイクとはでご案内しています。



0 コメント
この記事に対するコメントはありません。真っ先にメッセージを残してください!