着物リメイクの衣服を洗濯する時の気をつけたいポイント
着物地の衣服を洗濯してはいけないと思う方は、多いのではないでしょうか。
色落ちや、生地の風合いの変化やダメージなど…
いざ洗濯するとなると、気になることが多いと思います。
キモノフク(着物をリメイクした衣服)は、正絹のような天然素材であっても、洗濯することが可能です。
いくつかのポイントを抑えることで、着物地でも洗濯することができます。今回は、着物リメイクの衣服を洗濯する際、気をつけたいポイントをご説明いたします。
- 洗濯の仕方と注意点
- クリーニングについて
- 長く着用するために

illustration : Rika Ito
着物地の洗濯の仕方
着物地からつくられるキモノフクは、新品ではない、天然素材を使用しています。しかし、「着物だから洗濯することができない」ということはありません。着物リメイクの衣服の洗い方は、主に3つあります。
- 手洗い
- 洗濯機を使用
- クリーニング店でのドライクリーニング

キモノフクを手洗い
時間と手間がかかるけれども、一番安心できる洗濯の仕方が手洗いです。
衣服を裏返しにし、水洗い or 中性洗剤 or 重曹を使用し、軽く押すようにして洗います。さほど汚れていない場合は、5分程度押し洗いすれば充分でしょう。その後、衣服をたたみ、水を替えながらすすぐように、再び押し洗いを行ってください。
*注意点:着物の染色方法や年代によっては、生地が重なることで色移りが発生します。心配な場合は、水通しを避けるのがベストです。
適度に洗ったら、水気を軽く絞ります。着物によって丈夫さも異なるため、その生地に合わせて脱水してください。
洗濯機を使用する
手洗いができない時などは、洗濯機についている“ホームクリーニング設定”を使用することを推奨しています。手洗い同様、水洗い or 中性洗剤 or 重曹を使用してください。色合いの変化が気になる方は、できるだけ水洗いでのお洗濯をお勧めします。
洗濯機を使用する場合、衣服を裏返しにし、洗濯ネットを使用します。
おしゃれ着を洗濯機で洗うのと同じように、着物リメイクの衣服も洗濯機で洗ってください。
* 中性洗剤は、漂白剤入りの洗剤でないものがベストです。

洗濯後の干し方
手洗い・洗濯機での洗濯後、できるだけ早く干すようにします。
直射日光を避け、陰干しが望ましいです。脱水を適度に行い、干してあげるのが理想的です。基本的に、他のおしゃれ着と同様の扱い方をし、シワを優しく手で伸ばしてあげるようにして、干すのがいいでしょう。
*お着物の染色方法によっては、水通ししたことにより、色移ししやすいため、干す際は生地と生地が重ならないよう乾かしてください。
干す前にシワが気になる場合は、先に中温のスチームアイロンを当ててから干すことで、乾いた後のシワが残りにくくなります。その際も、裏側からアイロンを当ててください。

illustration : Rika Ito
洗濯時に気をつけたいこと
天然素材を使用した着物リメイクの衣類は、初めに洗濯する際、気をつけたほうがいいことがあります。
- 色落ち・色移り
- 型くずれ・やぶれ
色落ち・色移り
着物リメイクの衣服を洗濯する際は、使用する洗剤によって、色落ちが激しい場合があります。漂白作用が強い洗剤ですと、色落ちすることが考えられます。洗剤を使用するのであれば、上記にあるような重曹や中性洗剤(漂白剤入りの洗剤でないもの)を選びましょう。
洗濯機で他の衣服を一緒に洗濯することで、色移りしてしまうことがあります。白色及び淡色物と一緒に洗わないことを強く推奨します。
型くずれ・やぶれ
着物リメイクに使用する着物は、正絹が多く、綿やウール、麻などの天然繊維を使用しています。中でも、薄い着物地を使用した衣服は、デリケートなため、気を配りながら洗濯・乾燥させることが望ましいでしょう。
型くずれを防ぐため、目の細かな洗濯ネットをお使いいただき、無理な乾燥は絶対に避けましょう。洗濯後、水の滴りが気になる場合には、バスタオルなどに挟み、軽く抑えるようにして、水気をとることができます。
衣類の大きさにあったハンガーを使用したり、平干しをしたりすることが、型くずれを防ぐ干し方となるので、ぜひ試してみてください。
また、干す際、無理にシワを伸ばすのではなく、やさしく適当な箇所をつまみ伸ばしていくことで、乾燥時のやぶれを防ぎましょう。

着物リメイクのクリーニングついて
普段の着物リメイクの扱い方は、上記しているように、洗濯し、シワを伸ばすように干すことで十分でしょう。湿気の多い時期や、汗をかきやすい時期は、気を配りながら洗濯することが必要だと思います。
お客さまに聞かれることとして、クリーニングに出した方がいいのか?ということです。率直にいうと、必ずしもクリーニングに出す必要はありません。
しかし、正絹などの着物地を使用した衣服を、頻繁に洗濯することは、おすすめしません。汗をかきにくいような季節は、洗濯回数をできるだけおさえ、クリーニング店にだし、お願いするのがいいでしょう。
その際は、着物リメイクの衣服”であることをお店側に伝えてください。

Photo : Hidetaka Nobu
長く着用するために
大切な人から譲り受けた着物を、お気に入りの着物リメイクの衣服に仕立てる。
そうすることで、何十年にも渡り装うことができます。
より長く着用するために、「適度な洗い方」と「丁寧な扱い方」をご紹介しました。
最後にお伝えしたいこととして、”経年変化を楽しむ”ということです。
張りのあるお着物も、長く丁寧に着用していくことで、身体に馴染むような生地感・風合いに仕上がっていきます。あえてヴィンテージ加工をしなくても、経年変化を楽しみながら衣服と付き合うことで、自然な風合いの年代物になります。
時間と共に完成していく、唯一無二のキモノフク(着物リメイクの衣服)のお手入れを楽しむことで、衣服も喜ぶのではないでしょうか。

つるとにて、着物リメイクのセミオーダーをオーダーしてくださった方々全員に、着物リメイクアイテムの「お取り扱いについて」リーフレット をお配りしてます。
リーフレットには、キモノフクを長く楽しんでもらえるよう、ケア・メンテナンスのエッセンスをまとめております。
また、この記事で、キモノフクに興味があるけれど、メンテナンスに自信がない方の不安がとれたら嬉しく思います。
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