「野良着×ジーンズ」|リカイトウのイラスト連載 #01
こんにちは!
TSURUTOインターンのリカイトウです。
連載第1回目は「野良着×ジーンズ」についてお伝えしたいと思います。
今回なぜこのテーマを選んだかというと、
私はよくNetflixで配信されている「クィア・アイ」というアメリカの番組を見ているんですね。
その中で、アントニという出演者の方がいるのですが、
ジーンズに古着と思われる、和風の紺色のジャケットを着ていたのを見て、「紺色の作業着?漢字書いてあるし、不思議だなぁ」と思っていました。
自作の絵で表すと、こんな感じに。
そのジャケットを調べていくうちに、
・野良着と呼ばれているらしいこと
・いま海外で野良着の古着が出回っているということ
を知り、さらに興味がわきました。
下の記事も読んで、欧米のおしゃれな人たちの間で流行ってると聞き、これは面白いことになっているな、と感じました。
https://newsphere.jp/series/wear-your-values/20190201-2/
そこからわたしはなんとなく、
野良着とジーンズに何か共通点はないのかな?と考えるようになりました。
両方とも紺系の色で、似たような素材感で、親和性が高く見えるから。
なので、今回は両方を同じ土俵に上げて、比較してみます!
〈野良着とジーンズの基本情報〉
””野良着””
・農民が田畑(野良)で働くときに着る服や装身具の総称。農民は野良着を着て朝晩働いて、帰ってからも野良着で家事を行ったため、農民にとっての普段着ともいえる。
・日本各地の農村で昭和初期くらい(正確には判断しかねる)まで着られていた仕事着。山着・田圃着ともいう。
・麻や苧麻、古手木綿(使い古した木綿生地)等で作られている。使われる素材・デザインには地域差がある。
・藍染。藍が濃ければ濃いほど丈夫で、防虫効果も高く、藍独特の香りも強くなる。
・天然染料である藍は値段が高かったので、藍色が濃いものほど貴重で、資産を持っているということの表れだった。
・大量生産品の洋服が農村に入ってくるまでの貧しい時代に、何度も布を補強し、繕い、刺し子をして、ボロボロになるまで大切に着た。
””ジーンズ””
・デニム生地や木綿生地からつくられたズボン。年齢性別問わず幅広い消費者に受容されてきた衣服。
・ゴールドラッシュ時に鉱山で働く人たちの仕事着としてつくられたのが始まり。
・最初はリーバイスのキャンバス生地だったが、時代が進むにつれインディゴ染めのデニム生地が主流になった。
・化学染料であるインディゴは値段が安く、大量生産できた。
・1950年代に、マーロン・ブランドが映画「乱暴者」、ジェームズ・ディーンが映画「理由なき反抗」でリーバイスを履いたのを若者が真似して履くようになり、ファッションとして普及していった。
・日本では敗戦後に、GHQが持ってきた古着の中に大量のジーンズがあり、アメリカの映画や音楽などの影響で普及した。
〈比較してみると?〉
〈インターン生・リカイトウの感想〉
まず、思ったよりも共通点が多くて、仕事着をつくろうとなったときに、日本とアメリカという全く違う土地でも人間の発想は似通うものなのかしらん、と不思議に思いました。
国籍や生まれた場所が違っても、同じ空の下ではあるし、人類みんな考え的には兄弟みたいだな、と思う。
それに、現在Japanese Boroとして、ボロボロになった野良着が世界的に展示されていたり、高値が付いたりして再評価されていると知って、
ヴィンテージのジーンズに高値が付いたり、ジーンズにあえてダメージを施すことにも、何やら私はシンパシーを感じています。衣服って本当に不思議だなあと。
現代でも例にももれず、海外の人たちの間で古着の野良着がおしゃれ!っていう感覚でおしゃれなジャケットとして着られているのを見て、「おしゃれであること、自分をよく見せること」が、「"エコ""持続可能性"という堅苦しく受け取られがちなテーマ」もっと近づくような気がしました。
日本で長い間培われてきた自然発生的な文化が、国境関係なく多くの人に親しまれるようになっていって、そこからまた”地球人”単位の文化も生まれてくるのだろうな、と感じている夏・2019でございます。
以上、読んでいただきありがとうございました。
引用サイト:Wikipedia「野良着」
Wikipedia「ジーンズ」
NewSphere「ヴィンテージのこと、改めて」
参考文献:「みちのくの古布の世界」田中忠三郎著
「野良着(ものと人間の文化史)」福井貞子著
イラスト:リカイトウ
執筆者:リカイトウ
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