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#0001 サイカイの衣|40年の時を経て 


「嫁入り道具として、結婚時に母に持たされて、
そのまま40年間、箪笥にしまったまま着てないんです」


40年間も時を経て眠っていたとは、とても思えない、
柔らかな色合いと、色褪せない魅力的な花柄。


広げられたお着物をはじめて見た時は、
気持ちも華やぐような感覚でした。


持ち込まれたお着物は、たとう紙に包まれ、
仕付け糸が付けられたまま、とてもきれいな状態。




「着物だと着る機会が無いので、作務衣にできませんか?」


普段使いできるようにという、お客さまのご要望から、
長着を半分にカットし、トップスとパンツに分け、
作務衣へとお直しいたしました。


ちょうどギリギリ、トップスとパンツに仕立てられるサイズ感で、
ぴったりうまくいきました。


長着から、作務衣へ。


仕上がった作務衣となったサイカイの衣を、
ご試着されて、とても素敵な笑顔をされていらっしゃいました。


「夏にたくさん着ますね」

と、とても喜んでいただけました。


40年の時を経て、
日常の衣へと、生まれ変わったお着物。


生まれ変わった着物は、
お客さまの手に渡り、少し喜んでいるような気がして、
私自身も、とてもうれしい気持ちでいっぱいでした。






「サイカイの衣ー着物から日常の衣へ」


明日を待つ着物を ほどき、縫い、仕上げる。


作り直すという行為が新たに生む
唯一無二の1着


生まれ変わる
世界に一つのこの国の「衣」を
お楽しみいただけたら幸いです。


 

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